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スロヴァキアが生んだ色彩の魔術師 ドゥシャン・カーライ『不思議の国のアリス』

 ドゥシャン・カーライ

今日は作品というより、一人の画家の紹介です。

このかっこいいタイトル「スロヴァキアが生んだ色彩の魔術師」は、

もちろん私が考えたのではなくて、滋賀県立近代美術館の企画展から勝手に借りてきています。あとで紹介します。

 前にshellさまより質問がありましたが、このブログのヘッダの絵、女の子と小鳥、この絵を描いた人なのです。 ドゥシャン・カーライのことはあめふらし』のところで簡単に紹介しました。つまり出久根さんのお師匠さんのひとりですね。

cenecio.hateblo.jp

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 今日はちょっとだけ、カーライの代表作(のひとつ)

不思議の国のアリス』を見ます。(写真は原書)

そして私はこの本しか知らないんです。

興味を持たれたら図書館などで他の本もあたってみてください。

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日本では

不思議の国アリス 大型本 – 1990/2
ルイス・キャロル (著), ドゥシャン・カーライ (イラスト), 矢川 澄子 (翻訳)

大型本: 109ページ
出版社: 新潮社 (1990/02)

 

表紙を見ただけでぶっ飛びますね。天才と呼ばれて世界中にファンが多いドゥシャン・カーライ(1948年6月19日ブラチスラヴァ生まれ)は、栄誉ある国際アンデルセン賞画家賞を40歳のとき受賞しました。

絵本界のノーベル賞のようなものですね。当時のチェコスロヴァキア共和国で初めてでした。まだベルリンの壁崩壊の前です。

当時、チェコスロヴァキアのような社会主義国では、芸術家の運命は過酷でした。自由な表現や活動を尊ぶ彼らは、当局によって監視下に置かれたり、冷遇あるいは無視されたりして苦難の日々を送りました。共産党員であることが必須、また党の方針にそって芸術活動を行えば安泰でしたが…。

才能のある画家たちは画業をやめ、子どもの本のイラストを描いたり、絵本を作るほうに道を求めました。そんなわけで美術の才能はどっと児童書界に流れ込んだのです。そうした時代の果実を、日本に住む私たちは享受しているわけなんですね。

カーライの住まいはチェコ共和国ではなく、スロヴァキアのほうで、首都ブラチスラヴァの美術アカデミーで教鞭をとっているそうです。

1990年代から何度も来日し、ワークショップを開いて日本の若い画家と交流を続けています。

 

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KADS New York | fine art print and publishing

 

あの女の子と小鳥の絵はこちら(*)で見つけました。タイトルは『満点をもらったおばかさん』(1983年)だそうです。

滋賀県立近代美術館の企画展 http://www.shiga-kinbi.jp/?p=9597

スロヴァキアが生んだ色彩の魔術師 『ドゥシャン・カーライの超絶絵本とブラチスラヴァの作家たち -『アンデルセン童話集』の挿絵原画100点一挙初公開-』
2010年4月24日 ~ 2010年6月27日

 

またその翌年にはこちらの展覧会。

非常によい紹介文なので引用します。

〈企画展〉東欧と日本を結ぶ 色と線の幻想世界 ドゥシャン・カーライ×出久根育 | 安曇野ちひろ美術館

シェイクスピアオスカー・ワイルドといった文学作品の挿絵を多く手がけるカーライは、大切なのは、「いかにテキストを深く読み込み、自分のものにして表現するか」と語っています。

『魔法のなべと魔法のたま』(1989年)と『3つの質問』(2007年)との間には、18年の歳月が流れています。以前に比べ、一部に彩度のより高い色が使われるなど変化も見られますが、少しくすみのある柔らかなピンクをベースに、細かく線を重ね、微妙な色合いで丁寧に描くスタイルは、年を経ても変わりません。その作品からは、作家のつくった作品に向き合い、自身の世界観を表す真摯な姿勢がうかがえます。

本展では、アンデルセン賞受賞後の1989年に描かれた作品、未発表アニメーション作品、銅版画、1999年以降に制作され、当館初公開の新収蔵作品等を展示し、カーライの多様な仕事の魅力を紹介します。

 

さて 『不思議の国のアリス』はページをめくると、こうです。

おやま、これがアリス?黒い短髪で青のジャンパースカートを身に着けて、

どことなく東洋風の顔立ちです。しかも生意気そうな強そうな子ですよ。

そしてうさぎも、これまで見たのとはかなり違いますね。

色も彩度が低く、細かい描きこみの線や点々がおもしろい。

 

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アリスはもう一枚だけ載せておきます。

小さくなったアリス!

からかわれているような縮みようです。

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不思議の国のアリス』はだれでも話の筋を知っていると思うので、

絵に集中できます。

鳥を二羽、切り抜いてみました。

カラス。

 

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こちらはなんの鳥でしょうか。

happyさんにお尋ねしようと思います。

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鳥を描いてもカーライ・ワールドです。

頭になにか乗せるのが好きですね!

 

最後にもう一枚、スキャンしてみました。

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奇想天外な作画だらけなので、ここで説明することは不可能です。

絵は大変に多く、一つずつに時間がかかります。

ドゥシャン・カーライの世界、ほんのちょっとですが、のぞいてみました。

興味があり、チャンスがありましたら 図書館などでどうぞ。

 

ドゥシャン・カーライはここまで。

次から二回続けてチェコのお話、両方ともカッパが出ます。

カッパは日本同様、チェコでもとても馴染みのある生き物です。

 

追記:カーライ図鑑

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