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月にノーと言ったキツネ

『 月にノー(NON)と言ったキツネ』

フランスの本です。

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タイトル:Le Renard qui disait non à la lune 

発行日: 1 octobre 1974
著者: Jacques Chessex   挿絵:Daniele Bour

出版社 : Grasset

 

新しいキツネ本といえるかな。

1974年発行のフランスの(絵)本です。出版が新しいという意味ではなく、キツネはよく物語の主人公になりますが、たいてい、ほかの動物たちに対して”悪役”ですよね。しかしこの本の主人公は、現実的で自立した、しかも詩人のキツネです。

ちょっと下の写真を見てくれればわかると思いますが、とにかくテキストが多い。行間も空けずにぎっしりお話があります。それで絵本とは呼べず、物語になっています。

 

あらすじをざっと紹介します。

キツネのルールーは森の奥深くに住んでいます。明け方になると、獲物を探しにやってきて…まあ、絵の通りですね、鴨や鶏を仕留めます。

 

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ルールーは美しい自然のなかで、幸せに何不自由なく暮らしています。

特に気に入っているのは 木立の間から仰ぎ見る 黄色く輝く

ええ、月がとっても好きなのです。

月は日ごとに形を変えていき、そのたびに見惚れて倦むことがありません。

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ある日、仲間たちから「森の空き地に集合」と呼び出しがかかります。行ってみると、熱に浮かされたように若者キツネがまくし立てています。

なんのことかと思いきや、この森の地味な生活を捨てて、月へ移住しようというのです。新しい土地で狩りをして冒険をして もっと金持ちに もっと幸せになるんだ、と。

ルールーにも誘いがかかりますが、まったくご免です。自分はここの生活がいいんですから。ところが驚いたことに、両親や家族や、知り合いの全員が月移住に賛成です。そして準備は着々と進み、皆はロケットに乗り込んで出発していきました。

 

ルールーはいつものように、モミの木のあいだから月を仰ぎ見ます。

いつになく蠅のぶんぶんいう音や カッコウのくーくー鳴く声がくっきりと聞こえてきます。いつになく日陰は蒼く涼やかに感じられます。小川には小さな泡がぷくぷくと浮いて輝いてきれいです。

 

孤独なルールーは 月を愛でる歌をうたいます。

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月よ 麗しき月

プラム色の夜のとばり

きみの陽気な黄色が 大好きさ

天空の チーズに あいさつするよ

月よ 月

ぼくは 茶色い垣根を かけ抜ける

クレソンが のどを潤し

苺のにおいが 漂うよ

蜂蜜パイの 月に あいさつするよ

 

 

さて月に行った仲間たちはどうしたでしょうか。

ええ、そうなんです。そこには森も動物も何もなかった。本当にがっかりで悲しくて 涙がこぼれます。

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そしてやはり森に戻ってくるのです。

着地は「池」という約束でした。

 

ルールーは森の動物を集めて、池の周りで待ちます。

こんなにいろいろな種類の動物がいたのか、と思うほどたくさんの動物たちが集まります。  

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 穴熊、ケナガイタチ、カワウソ、テン、山猫、オオヤマネコ、

コエゾイタチ、フェレット、ムナジロテン、

それから年老いたオオカミ赤ずきんを探しているようです

                注:本当に↑このように書いてあるのです。

 

動物が多すぎて全部書きませんが、うさぎやハリネズミまでいますね。

とにかく全員集合でお迎えするわけです。

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 そうしてルールーにいつもの森の平穏な日々が戻ってきました。

月を愛でる生活、里に下りて獲物を捕まえる生活です。

ルールーは 森の生活を満喫しています。(終わり)

 

 

挿絵画家 

Daniele Bour ダニエル・ブールさん。

このかた、フランス人で知らない人はいない。いたらモグリです(笑)って言っていいのではないでしょうか。

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Rencontre. On a retrouvé la maman de Petit Ours Brun

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 このようなくまちゃんが主人公の、絵本やアニメ、塗り絵やグッズが本当にたくさんあるんです。フランス人はみんな小さいころ持っていたはずです。

 

お話を描いた人

 Jacques Chessex シェセさん。(1934-2009)

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L’Ogre de Jacques Chessex | Pasion De La Lectura

スイスの詩人で、フランス語で著作を残しました。

有名な詩の賞をもらった人でもあります。

 

月は遠くにありて愛でるもの

この話のテーマでしょうか。

 

f:id:cenecio:20170126102042p:plainf:id:cenecio:20170126102154p:plainWIKIより

 

現代の私たちがこの本を読んでもおもしろくないのは、1970年代の「宇宙」や「月探検」への憧れを共有しないからです。

スイスの詩人さんはこのブームを冷ややかに見つめ、今の暮らしの良さを、地に足のついた平穏な日々を送れるしあわせを、子どもたちに見つめなおしてもらおうと思ったのでは。子どもと話しながら反応を見ながら読むのでしょうか。

 

それにしても饒舌な本でした。私があまりにざっくりまとめすぎて、うまく伝わらなかったこと、お詫びします。