読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『森は生きている』 -2-

ロシア 日本

前回の『十二の月たち』の続きになっています。

 

このスラブ民話は、日本でもいろいろな形で知られています。

たとえば私の世代の人間は『森は生きている』(ソ連、1943年)という戯曲作品として知っています。

学校劇でこれをやった人たちもいます。

また子供向けの劇団公演を見たことがある人もいますね。

多くの人はまず、岩波のこの本を思い浮かべるでしょう。1953年発行です。

f:id:cenecio:20160912113001p:plain

森は生きている (岩波少年文庫) 
サムイル マルシャーク (著), Samuil Marshak (原著), 湯浅 芳子 (翻訳)

 

こちら、ナンさまが前回記事に寄せてくださったコメントです。

ナン (id:majyonan)

このお話、大好きです。暗い森の中で火を囲んでいる12の月たちに出会うシーンほかとても印象的でした。わたしはマルシャーク「森は生きている」を岩波少年文庫で読みました。懐かしいです。出久根育さんの挿絵の作品もぜひ読みたいです。ご紹介下さりありがとうございます。

1日前

 

 

『森は生きている』はけっこうドタバタしているんです。

継母や姉、わがままな女王や彼女に振り回される付き人たちなど、登場人物があまりに滑稽に描かれるので、子供たちもクスクス笑い、かと思えば高価な褒美がたくさん出てくるため、子供たちも目をまん丸くする。速い展開に引き込まれ、最後に主人公の女の子が誰と結婚するかわかった時には満面の笑顔です。ユーモアに溢れて、とっても楽しめる作品です。

 でも今の子供たちはどうなんでしょう。おもしろく思ってくれるのかなあ。

 

指輪をもらうシーン

f:id:cenecio:20170103155638j:plain

 

こんな風に歌もたくさん挿入されています。

ロシア語はわかりませんが、訳者はよく訳しているんじゃないかと思います。

f:id:cenecio:20170103160913j:plain

 

ままむすめ(絵本ではマルシュカ)が誰と結婚するか、ここでちょっとわかってしまいましたね。すみません。

 

アニメ映画

1980年には『世界名作童話 ・森は生きている』というタイトルで、「東映まんがまつり」枠内で公開されました。

 

www.youtube.com

f:id:cenecio:20170103133057p:plain

主人公ままむすめの声は大竹しのぶ。一月の月は小林清志、そのほか兵士の声が役所広司とか、豪華ですね。

 

『森は生きている』の作者

サムイル・ヤコヴレヴィチ・マルシャーク(Samuil Marshak 1887-1964)

ロシアでは有名な児童文学作家です。ユダヤ人だったけれど、非常に才能豊かだったので特別待遇を受け、創作活動に打ち込めたそうです。

原題は『十二月』(ロシア語: Двена́дцать ме́сяцев)。

f:id:cenecio:20170103125447p:plain現代のロシア語の本。http://read.ru/id/3709424/

 

マルシャークは多くの作品を書きました。

f:id:cenecio:20170103124826p:plain

 

子供たちのアイドル。

f:id:cenecio:20170103124925p:plain

Самуил Яковлевич Маршак. - ЯПлакалъ

f:id:cenecio:20170103125110p:plain

切手にもなっているほどの人なんですね。

 

いろいろな翻訳+挿絵画家のバージョンがあります。

たとえば

f:id:cenecio:20160912112900p:plain

森は生きている―12月(つき)のものがたり (斎藤公子の保育絵本)  – 1986/12
マルシャーク (著), 斎藤 公子 (編集), エリョーミナ (イラスト), 林 光、出版社: 青木書店

 

民話や昔話には、意地悪な継母や醜く性格の悪い姉(たち)が出てくる話がたくさんありますね。最後は罰がくだって、ちょっぴりかわいそうな羽目になります。

『森は生きている』で作者マルシャークは継母と姉をどうすると思いますか。なんと、犬に変えてしまうんです。三年という期限付きでね。心を改めたら人間に戻してやることになっています。

どうですか、この結末は?私は二人を気の毒に思い、ほかの解決法があるでしょう、と思っていました。離れたところに住まわせるとか、ダンナさんを見つけてやるとか。(←余計なお世話?)

 

 『十二の月たち』はこれで終わり。 

おつきあい下さり、ありがとうございました。