読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

十二の月たち -1-

有名な民話です。

といっても日本ではどうでしょう。どのくらい知られていますかね。

人によるかもしれません。そのことはあとで説明します。

ロシアやチェコ・スロバキア地方では広く知られる民話で、様々なバリエーションが存在します。ちょうどシンデレラや赤ずきんと同じように、地域や国によって細部が異なるんですね。

 

f:id:cenecio:20170103134807p:plain

十二の月たち

(世界のお話傑作選) 大型本 – 2008/12
ボジェナ ニェムツォヴァー (著), 出久根 育 (著, イラスト)  偕成社 (2008/12)

 

挿絵の出久根 育さんには心底驚かされます。

前にこちらの本を扱いました。

cenecio.hateblo.jp

cenecio.hateblo.jp

同じ人の絵とは思えないですね。

シュールな『あめふらし』は何度も何度も読みました。いえ、絵を鑑賞しました。中毒性があるようです。

この『十二の月たち』は ボジェナ・ ニェムツォヴァー(Božena Němcová、1820 - 1862)というチェコの女性作家の再話です。(ニェムツォヴァーは岩波の『おばあさん』がうちにあり、学生時代に読みました。下のほう、参照のこと)

 

 『十二の月たち』のはじまりはこうです。

心のきれいな、そしてとびっきり美しい娘マルシュカは、森のなかの一軒家に継母と姉と三人で暮らしています。

はは~、なんとなく話がみえてきたなと思うでしょう。その通りで、継母は自分の娘は可愛がりますが、家事やきつい労働は全部マルシュカにさせます。それどころか何とかして追い出そうと企みます。

一月のある日のことです。

「マルシュカ、山からスミレの花をつんできてちょうだい」と言いつけます。こんな一月の雪の中にスミレが咲いているわけないのですが、摘んでもどらないとただじゃおかないよと言われます。

寒さに震えながら、山頂までやってくると、たき火が見えるではありませんか。そしてまわりを囲んでいるのは…。

 

表紙の絵から想像がつくように、12人の月がいたのです。一月の月は白い髭をたくわえ、杖を持つ、威厳に満ち満ちたお方です。マルシュカがわけを話すと、三月の月(こちらは青年)を呼びます。

 

 絵の左が三月です。

f:id:cenecio:20170103145645j:plain

 

このように話は進んでいきます。

興ざめするので筋は言いません。

ストーリーと絵を楽しんでください。

 

絵を見て最初に感じたのは、宗教画みたいだということ。

f:id:cenecio:20160526111138j:plain

キリストや使徒たち、長老や賢人ふうの老人もいれば、フラ・アンジェリコの絵に出てきそうな天使も。

 もうひとつの大きな特徴は厳しい自然です。過酷な冬の風景、雪や風で凍った景色、何百と描き込んだ針葉樹などが雄大に描かれています。

出久根さんはチェコにお住まいなので、あちらの自然をよく観察していると思いました。

 

 

参考:

f:id:cenecio:20170103142638p:plain

おばあさん (岩波文庫 赤 772-1) 文庫 – 1971/9/16
ニェムツォヴァー (著), 栗栖 継 (翻訳)

 

わがやにあるのは1977年5刷りです。

はてなでこの作品に触れている方がいらっしゃいましたので、貼っておきます。

ボジェナ・ニェムツォヴァー作『おばあさん』(栗栖継訳)を読む - edel_weiss306の読書・旅日記/

 

著者

ボジェナ ・ニェムツォヴァー(ウィキペデアより)

f:id:cenecio:20170103153430p:plain

チェコ語の本の挿絵。ニェムツォヴァー博物館より。

f:id:cenecio:20170103152933p:plain

BABIČKA | Muzeum Boženy Němcové

 続きます

 

 

お知らせ

前回の記事『水の中のナイフ』ですが、片付けをしていたらポーランド映画祭のパンフレットが出てきました。写真を載せてあります。よかったらご覧になってください。

広告を非表示にする