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フランダースの犬 A Dog of Flanders-1-

初めて完訳を読みました。

子供の時はリライトされた簡単な話を読んだんですが、可哀そうすぎて、あまり好きじゃありませんでした。

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フランダースの犬 (偕成社文庫) 単行本 – 2011/3/17
ウィーダ (著), 佐竹 美保 (イラスト), 雨沢 泰 (翻訳)

 (偕成社の解説から)

アントワープを舞台にたぐいまれなる画才を持ちながら、貧しさ故に、その才能を花開かせることなく、天に召された少年ネロと、ネロとどこまでも運命を共にしようとする意志強く賢い愛犬パトラッシュの物語。

内容(「BOOK」データベースより)
フランダース地方を舞台にした少年ネロと犬のパトラッシュとの美しくも悲しい人生。ルーベンスの絵の下でのネロとパトラッシュの姿は永遠です。他に「ウルビーノの子ども」「黒い絵の具」を収録。19世紀人気女流作家ウィーダの名作の完訳です。小学上級から。

 

みなさんの世代はテレビアニメですか。

1995年 全52話 一作あたり3000万人が見た

(出典:『誰がネロとパトラッシュを殺すのか』岩波書店 )

と上記の本にありますが、大人気だったのは私も知っています。が、この頃私は大学生で、TVをほとんど見ていなかったのです。

そしてベルギーに興味を持つようになってからも、この話をちゃんと読もうという気はおきませんでした。

今回手を伸ばしたきっかけは、岩波書店からベルギー人(フランダースにルーツのある人たち)がチームとなってこの作品を研究し、映画まで作り、上述の本を出版したということなので、これを機会にいっぺん完訳で読んでみようと思いました。

 

今日は犬の話だけにしぼります。

古い絵葉書をみると、犬荷車がどんなものかすぐにわかりますね。

実は以前も短い記事を書いたのでした。

cenecio.hatenablog.com

犬が三匹で牛乳缶を積んだ荷車を引いていますが、足も細く、なんだか労働犬じゃないみたいですね。

 

他にも捜してみました。

飴を入れるボックスの蓋の部分。

側面に「フランダースの牛乳売り」と書いてある。

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たくましい犬たちです。

 

おもしろいことにウィキペディアには

Dogcart (dog-drawn)

という項目まであります。

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A photochrom from the late 19th century showing two peddlers selling milk from a dogcart near Brussels, Belgium

 

完訳『フランダースの犬』では、最初の一章「少年と犬」約20ページが、まるまる犬の生活とパトラッシュに当てられます。

労働犬の過酷な仕事は読んでいてもつらい。

パトラッシュとの出会いは偶然でした。動けなくなって金物商人に捨てられ、息絶え絶えで道に倒れていたのです。それをネロとおじいさんが保護・介抱して、元気になってからも愛情いっぱいに世話をする。犬もネロに深い愛情と恩義を感じ、互いに友情で結ばれます。

 

p13

フランダース地方の犬は、毛が黄色っぽく、頭も足も大きく、オオカミのように立った耳をしています。重労働に耐えられるように、何世代にもわたって改良された種類なので、四本の足はたくましく筋肉がつき、外に開いてふんばっていました。パトラッシュは何世紀も前から、フランダースできびしくはたらかされてきた犬種の生まれでした。かれらは人につかえる奴隷そのもので、馬のように長柄と引き具につながれ、荷車で筋肉をすり傷だらけにし、街の石だたみの道で心臓がとまって死ぬまで、はたらく生き物でした。

著者ウィーダはイギリス人で、すごい愛犬家なんですね。同情と憐れみを込めて語っています。「人につかえる奴隷そのもの」私にはショックでした。

 

初版の絵も興味ありますね。見てみましょう。(『誰がネロとパトラッシュを殺すのか』より)

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 ついでに1914年ころのアメリカ版も見てみましょう。

Ouida: Louisa de la Rame

 A DOG OF FLANDERS: A Christmas Story.

Chicago: M. A. Donohue & Co

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次回に続きます。次はネロは子供じゃなかったという話。