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子うさぎましろのお話 

佐々木たづさんの童話集『もえる島』の中の一篇です。

それに絵をつけて絵本としてポプラ社から発行されました。

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おはなし名作絵本(3)  子うさぎましろのお話

絵:三好 碩也

初版発行:1970年02月

 

佐々木たづ(1932-1998)は、東京都出身の児童文学作家。このお話を最初に読んだときは、目が見えない方とは知りませんでした。ゆっくり略歴を読んだら、都立駒場高校在学中に緑内障のため、両眼を失明とありました。

野村胡堂に師事して童話を書き始め、1956年に『白い帽子の丘』を出版。
1962年にはイギリスへ行き、盲導犬のロバータと出会います。

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1965年、随筆『ロバータさあ歩きましょう』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞しています。この本は大変話題になり、私も当時まだ小学生でしたが知っていました。でもついに読まずじまい。そしてここでまた出会うわけです。ましろと。

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さっきの表紙をあけると、これ、扉の絵です。素朴な鉛筆画のほのぼの加減がすごくいい。

 

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サンタ=クロースとありますが、絵を見ると聖ニコラウスですね。

お話はこうです。

白うさぎの子 ましろはサンタ=クロースのおじいさんから、プレゼントをもらったのですが、お菓子を食べてしまうともっとほしくて、いろりの燃え殻から炭を拾い、体に塗ります。そしてまた別の子のふりをして、プレゼントをせがみます。

おじいさんはそれがましろだとわかっていますが、自分のサンドイッチと一粒の種をあげます。

「さあ、よい子ではやくおうちへおかえり。おかあさんが、しんぱいしてまっているよ」

ましろは自分がいけないことをしたのに気づき、悔やみますが、種を返しにはいけません。でもよいことを思いつきます。

「このたね、かみさまにおかえししておこう。土の中にうずめて」

 

それはモミの木の種でした。一年たつと、モミの木の林ができていて、一本だけ金色に輝くモミがありました。走っていってみると、枝という枝からおもちゃやお菓子、絵本やリボンなどのプレゼントがさがっていました。ましろはおじいさんに去年のクリスマス以降の話を全部うちあけました。

「神さまが世界中のこどもたちにくださった木にちがいない」

おじいさんが人形を一つもぎ取るとまた新しい人形が表れるのです。

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おじいさんは毎年プレゼントを世界中のこどもや動物に届けます。そのお手伝いに最初に飛んでくるのは、ましろです。

おわり)

 

佐々木たづはこの話を、英語を習っていた先生のために書いたそうです。先生がクリスマスの集いで、子供たちに何か話をすることになり、頼まれたのです。

雪の情景には、ボストンで過ごした冬の思い出が刻まれていると言っています。

 

うちの子どもも絵を真似て描いていました。

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ましろに自分を重ねていたようです。

 

f:id:cenecio:20160616102926j:plain家の前で。6月。