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ちびくろ・さんぼ The Story of Little Black Sambo

わたしのちびくろ・さんぼ

 

こんなに波瀾万丈の運命をたどった本はないと思う。

ちょっと色がきついけど、好きだったお話。

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もとは軍医であった夫に伴って、インドに滞在していたスコットランド人、ヘレン・バンナーマン(ヘレン・バナマン)が、自分の子供たちのために書いた手作りの絵本だった。舞台はもちろんインドであって、アフリカでもアメリカでもない。 子供の手に収まるサイズの小型絵本だった。

 

著作権がなかったため、話は都合のいいように書き換えられて いく。このことが人種差別だとして問題視されるようになり、一時書店から消えた。

 

日本でも1953年(昭和28年)岩波版からはじまり、70種類以上にのぼる様々な版が出版された。

私はやはり、なんといわれてもこの岩波版に愛着がある。

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さんぼの服をめぐって、おばかなトラたちが争う。しっぽをくわえて、ヤシの木のまわりをグルグル。

その間にさんぼは自分の服を取り戻す。

相変わらずグルグルと猛スピードで回り続けるトラ。

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 とうとう、みんなどろどろに溶けて、バター(インドでは”ぎー”という)になってしまう。

お父さんが壺に入れて持ち帰り、お母さんがホットケーキを焼いてくれる。

さんぼはなんと169枚も食べたのであった。

 

 

f:id:cenecio:20160604063126p:plainアメリカ版の表紙(1918年)

 

 原作そのものの版が発売になる

1999年になってやっと

『ちびくろさんぼのおはなし』(灘本昌久訳・径書房刊)が出た。

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ちびくろさんぼのおはなし ハードカバー – 1999/6
ヘレン・バンナーマン (著), Helen Bannerman (原著), なだもと まさひさ (翻訳)

 

まだ読んでいないので、いずれ図書館で読んでみたいとは思う。

だけどあの本の、あのバターのおいしそうだったこと!

そのせいでトラを見るとバターに見えたものだ。

 

終わり

 

 

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(アントウェルペン動物園)