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チェコ好きのきっかけはチャペック兄弟 -Josef Čapek-

前回に続いてまたチェコです。

カレル・チャペックとの出会いは 

岩波書店の

長い長いお医者さんの話
カレル・チャペック 作
中野 好夫 訳

「郵便屋さんの話」が大好きでした。挿絵もすごくよくて、当時は知らなかったけれど、今はそれが兄のヨゼフ・チャペックの手によるものだと知っています。

 

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原題: Devatero pohádek a ještě jedna od Josefa Čapka jako přívažek

この本は1931年に出版され、すぐに英訳されました。英訳本から日本語に訳した中野好夫は、1941年に「王女様と子猫の話」という題で出版。のち1952年に7編を選んで「長い長いお医者さんの話」として、岩波少年文庫の一冊に加えました。

そして1962年にこの本、9編をおさめた素晴らしい童話集ができました。

 

挿絵を描いた ヨゼフ・チャペック Josef Čapek

ヨゼフ(1887-1945)は医師の父、読書好きで民謡や伝承物語の収集家でもあった母親のもと、姉ヘレナと弟カレルとともに、ボヘミア地方の小さな町で育ちました。プラハの工芸学校を卒業してから、美術・創作分野で活躍し、ヨーロッパ各国の文化人たちと広く交流がありました。

結婚して娘のアレナが生まれると、生来子供好きなので皆にお話を作って聞かせるように。そこから

 

こいぬとこねこはゆかいななかま―なかよしのふたりがどんなおもしろいことをしたか (1968年) 単行本
ヨセフ・チャペック (著, イラスト), いぬい とみこ (翻訳), 井出 弘子 (翻訳)

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 右はドイツ語版。これを買ったころ、ドイツ語がちょっと読めたのでプラハで記念に購入しました。

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ドイツ語ですが、プラハのアルバトロス社から出ています。

また下の本もヨゼフの本。

 

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しかしヨゼフは1939年、第二次世界大戦が始まるとすぐにナチスに逮捕され、1945年4月に収容所で亡くなりました。アンネ・フランクと同じベルゲンベルゼン収容所でした。戦争が終わる一か月前のことです。(カレル・チャペックは1938年に病死)

 

ヨゼフの装丁デザイン

アヴァンギャルドのデザインという枠にくくるのでしょうか。

しかしヨゼフの装丁は素朴なフォークロア調もあれば、シュールレアリズムな要素もある、漫画チックなのから絵画的なものまで、幅が広いです。

 印刷博物館で展覧会があったようですが、私は行っていません。

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ヨーロッパの伝統で、装丁といえば自家装丁(*1)のことを指し、装丁デザインとは、単なる装飾を意味していた時代に、「本の装丁とは、単なる装飾ではなく、本の内容が考慮された美的なものでなければならない」と公言したのはヨゼフ・チャペックでした。
 リノカット(*2)を用いた、ヨゼフによる暖かみのある表紙デザインの書籍は、出版が大衆化してきた時代にあって、多くの人々の歓迎を受けました。
 また、批評家でもあったデザイナー、カレル・タイゲは、「本の扉は宣伝用ポスターでなければならない」と宣言し、本という新しいデザインのフィールドで、他のデザイナーや芸術家たちとともにチェコ・アヴァンギャルドを牽引していきました。

http://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/030726/index.html

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右1947年「園芸家12カ月」Zahradníkův rok(1929 ) 

The Gardener's Year

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「揺りかご」(1922)Helena Čapková  Kolébka

Cradle

 以上ヨゼフの仕事を少し覗いてみました。

 

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www.private-prague-guide.com